日々の妄想を書き綴る
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オリジナルキャラが目立ちすぎ
多分あと数話でケリつけたい
その後は短編の方にアシュにょたルクとして載せる
限界という言葉は何にでも当て嵌まる
それが物質世界でなら尚更
大地が、ノームが、泣いている気がした。
紫色の瘴気に包まれた街、アクゼリュス。
サラは荒廃した大地を確かめるように踏みしめた。
"前回"はヴァンによって落とされ、ルークに罪を擦り付けられた場所。
幼いルークが一度死んだ場所。
アッシュはそう表現していた。
彼等には"前回"の記憶こそ無いが、魂は受けた痛みと悲しみを憶えている。
時折悲しげな表情を見せたり、前に比べてアッシュが無気力に見えるのは決してルークが女性として存在している所為だけでは無い。
アッシュは、彼の魂は憶えている。
ローレライによって音譜帯へと連れ戻される際、嘗てのルークの仲間によって心に付けられた傷を。
いや、それ以前に彼は世界から癒えぬ傷を昔から付けられてきた。
その痛みを魂が憶えている所為か、アッシュは誰にも必要とされていないと無意識の内に思っている。
シンクやアリエッタがどれ程傍に居ようとも、あの孤独な魂を癒せるのは片割れであるルークだけなのだ。
そしてその逆もまた然り。
「サラ、住人の救助、終わった、です」
「分かった。アリエッタは先にシンクとアッシュに合流して」
ライガに跨り駆けて行くアリエッタを見送り、サラは自分の顔に仮面を装着するとアクゼリュスにあるセフィロトへと向かう。
パッセージリングの前に立ち、展開すればやはり耐用年数は限界に来ていた。
自分がアッシュと再び出会うのはアクゼリュスが崩壊し、彼等が地上へ上ってきた後だ。
ローレライや他の音素集合体に成り行きを説明されても正確な事までは理解できない。
自分の目で見て理解するしか無いのだ。
『サラ、』
鼓膜を震わせる音は彼の第七音素のもの。
セフィロトには彼の音素で満ちていた。
「礼を言うぞローレライ。ダアト式封咒は知っていたし解咒方法を身に付けては居たが、アルバートとユリア式は流石に手に終えない」
彼等とは交流が無かったからな、とサラは笑う。
「長生きはしてみるもんだ。さて、リングの書き換えを……いや、」
『どうした?』
「此処は無難に落としておいた方が後々楽か?どの道瘴気という根本的な問題が残っているし。だがアルバート式を易々解除するのも気が引けるな。だとしても書き換えたところでまた時が経てば同じことに………ああ、しまった」
少し早すぎやしないか、と呟くとサラはパッセージリングから視線を移す。
其処にはヴァンと導師イオン、そして音素集合体達が焦がれてやまないルークが居た。
自分達よりも先に居たサラにヴァンは驚きを隠せずに居るようだが、それも道理。
ダアト式封咒は導師以外解除することは出来ないのだから。
「何故、此処に……」
「お久しぶりです、グランツ謡将。私の三行半が書かれた辞表は受け取ってくださいましたか?」
傍らに居るローレライが殺気立つが、悲しいことに彼等には目視出来ない。
それがもどかしいと嘆いていたのはウンディーネとルナだったか。
あの孤独な魂に歌しか届けられないと音符帯で泣いていたのを思い出し、サラは握った拳に力を込める。
「アンタは此処を落として、その子を殺す気なのかもしれないけど、」
それだけはさせやしないよ。
後ろに手を回し、腰に下げた剣を抜く。
光を浴びても黒く輝くそれは出口の無い闇のように見え、ヴァンの数歩後ろに居たルークは息を呑んだ。
此処に来るまで危険なことは山程あった。
殺されそうになったことも、自分が他者の命を奪ったこともあった。
だが、此処までの殺気は初めて浴びた。
足が竦む。
恐怖で歯が噛み合わない。
サラは仮面の下から鋭い視線をヴァンに向けていたが、不意に響いた硝子に皹が入るような音を聞き咎めてパッセージリングに向き直った。
「………ルークが超振動を使わなくても落ちるもんは落ちるのか」
『それが普通であろう。何せ二千年の永き時に渡ってこの大地を支えていたのだ』
限界という言葉は何にでも当て嵌まる。
それが物質世界でなら尚更。
二千年間大地を支えてきた象徴の光の輪は既に存在しない。
「くそっ、間に合わなかったか!」
揺れが激しくなる中、アッシュを筆頭に一同が駆け込んで来る。
その中に懐かしい顔を見つけて彼女は人知れず唇を強く噛む。
本格的に降下が進む中、ヴァンが指笛を吹き、それに応えたグリフィンがサラと彼の後ろをとった。
「なっ!?」
「ちっ!」
腕に爪が食い込んで居る為抵抗しても外れない。
二人をぶら下げて飛翔するグリフィンを見てアリエッタは絶叫した。
「違う!あれ、アリエッタの友達じゃ、ない!!」
意志疎通の図れないグリフィン。
それが意味するのは。
「レプリカか!」
「流石だな、サラ。…本来ならイオンを救うつもりだったが、アッシュ、お前に今死なれてもらっては困る。お前もだ、サラ。如何にしてパッセージリングの封咒を解除したか吐いてもらう」
「ふざけるな!離せ、ヴァン!俺も此処で朽ちる!」
いやいや、それは駄目だろう。
思わず溜め息を吐くサラの眼下ではヴァンに促されたティアが譜歌を紡ぎ始めていた。
ならばと右手に持っていた剣をアッシュを捕らえているグリフィン目掛けて投げる。
首に深々と突き刺さり絶命したレプリカは瞬間、音素となって還って逝き、支えを失った青年が空中に放り出された。
「シンク、アリエッタ!!アッシュを頼む!!」
「サラ!!?」
落ちていくアッシュに大丈夫だと口の動きだけで告げると、サラはヴァンを見る。
「貴様、」
「お前の好きにはさせないさ、ヴァンデスデルカ・ムスト・フェンデ」
隠し持っていたナイフを引き抜き、自身の左腕に当てる。
勢い良く刃を振るえば左腕と胴体が離れ、彼女は真っ逆様に崩落する都市へと墜ちていった。
堕ちた都市
それは始まりの合図
なんかさ、うちの子は可愛げないわぁ
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