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日々の妄想を書き綴る
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嫌だ、と思った。
彼が彼女と話してるのを見る時にいつも胸がぎゅうっと苦しくなった。
苦しくて苦しくて、泣きたくなった。
自分には見せてくれない表情を彼女は知っていることに酷く傷付いた。
そうして気付いたのは、自分は彼女に嫉妬しているという事。
それを認めた時、浅ましい自分が嫌で暫くの間自己嫌悪に陥った。


それも、もう……今では遠い思い出だけど――。


「アッシュ」

どうして自分の腕に抱かれている彼はこんなにも冷たいのだろう。

「アッシュ」

どうして彼は何も言ってくれないのだろう。

「アッシュ」

どうして彼は動かないのだろう。

「あ、っしゅ……」

嬉しい筈なのに、漸く全て終わった筈なのに、心に広がるのは悲しみばかりで。
真っ青な空があってもその下に貴方が居ないなら意味が無いのに。

……二人で居られないなら、意味が無いのに――。

「ごめん、ティア……」

帰るって、約束したけど……、

「アッシュを独り残して、帰ることは……出来ないや」

彼の記憶が今自分の中にある。
彼は大爆発を誤解していたようだけれど、でも結果は一緒。
二人で居られないのなら、意味が無いのだから。

「約束したからね」

一緒に、帰るって。

「言っていたよね」

独りになるのはもう嫌だと。
あの日、エルドラントへ行く前日。
彼は起こりうる大爆発を危惧して言っていたのかも知れないけど。

「同じ気持ちだったよ」

独りになるのは嫌だよね。
冷たくて、怖くて、無性に泣き叫びたくなるんだ。
せっかく半身に逢えたのに、どちらかが消えてしまうなんて辛いよね。

「独りぼっちは、嫌だよね……」

あの箱庭のような場所で生きてきた自分も、アッシュが生きてきたダアトでの辛い日々の中でも。
独りだった、ずっと。
自分にはガイが居たけど、アッシュにはナタリアとの約束という支えがあったけど。
いつもいつも、誰かって名前も知らない誰かを求めてた。

「きっとそれはアッシュだったんだ」

求めていたんだ。
無意識の中で。
アッシュという片割れを。
知っていたんだ。
彼という存在を。
今なら彼に惹かれた理由が、よく解る。

「大好きだよ、アッシュ……」

最後に交えた剣からは底知れない愛しさが伝わってきた。
最後に見た顔は何故か満足そうに微笑んでいた。
彼は、本当に最期の最期まで自分を想ってくれていた。

「ずっとずっと、一緒だからね」

嗚呼、人を想う事はこんなにも苦しくて、こんなにも心が温かくなる。
彼が自分と同じ気持ちだと知った時、泣きたくなる程嬉しくて、満たされた。
罪で汚れた自分がこんなにも幸せで良いんだろうかと怖くなった。
だけど彼は、全部半分こにしてくれた。
罪も悲しみも全て一緒に背負う代わりに、一緒に幸せになろうって言ってくれた。

「嬉しかったんだ、本当に」

自分達が解放したあの青空の下では一緒で居られないのなら、音譜帯で音素となって一緒に居たい。
彼が隣に居ないのなら美しい青空も色褪せて見えてしまうだろうから。

まだ彼は此処に居てくれているのかな?
それとも先に音譜帯へと逝ってしまったかな?
消えることはもう怖くは無い。
その先に彼が居てくれるのなら。

「アッシュ、」

腕に抱いた躯に最期のキスをして、まどろむように意識を手放した。









『おかえり……。よく頑張ったな、ルーク』

それはいつだって貴方の傍













この後ルークはアッシュに飛びついて大泣きしながら文句言えばいいよ
何で先に逝ったんだよ!!ってな具合に
アッシュは謝り倒せばいい
二人して泣けばいい
この二人の幸せはお互いの傍だと思うんですよ、本当に

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