日々の妄想を書き綴る
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自分の頬を包む、同じ大きさの掌から伝わる体温が心地よかった。
目の前に居る朱色の髪の青年に、紅色の髪の青年は緩く笑う。
そうすれば彼は翡翠色の瞳を大きく見開いて、花の蕾が開く様に笑んだ。
「もう、起きないのかと思った」
「ああ」
「そう思ったら、怖かった」
「ああ」
「せっかく、また、見つけたのにっ、」
とうとう表情を歪ませて泣き出す朱に紅は苦笑した。
手を伸ばして、触れる。
さらさらと指の隙間から逃げていく自分のそれより柔らかい髪を梳いて、額に口付けを落とす。
胸を締める安堵感に紅は徐に朱を抱きしめた。
ふつふつと湧き上がる言いようの無い焦がれる様な想いが相手に伝わったのか、朱は泣きじゃくりながら恐る恐る紅の背に腕を回す。
掻き抱いた存在はいつから大事なものとなったのだろう?
身を焼くような憎悪が、抑え切れない愛情へと変化したのはいつだっただろう?
殺してやろうと思っていたのが、一緒に生きてみたいと思い始めたのは?
今となってはもう全てが朧気だった。
この腕の中にいる存在意外は。
「もう、消えない」
「うん、」
「ずっと……、これからは、ずっと一緒に居る」
「うんっ!」
更にきつく抱き締めれば、応えるように強い力で抱き返してきた。
泣き続ける朱がたどたどしく、約束、と告げる。
約束だよ。
ずっと一緒に。
独りにしないで。
「ああ、そうだな」
約束しよう。
ずっと一緒に。
永遠に、共に。
永遠の約束
初、アビス
初、アシュルク
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